なかまくらです。
400字くらいの掌編です。これは、膨らめよう膨らめようと、それはもう、高校生のころから思っているのですが、そのままになっている話です(笑)。
何故かっていうと、その考えている膨らめかたが、なんかフツーだからです。
そういうフツーの話を読ませる物語にするには、まだまだ私の演出力が足りないんですよね。
と、いうわけで、なんとなく様子だけでもどうぞ。
空から降ってきた一輪の華。その花に触れた途端、地面に花が咲き誇った。遠くの方に工場が見える。工場は、煙を休むことなく空へと送り出している。花は広がっていく。やがて、地平の先まで広がっていって、その先が見えなくなった。蒸し返るような香りが僕を包んだ。その香りに今は、トイレしか思い出せない。歩き出す。一輪の花を胸のポケットに挿しこんだ。華が揺れ、僕は笑いながら歩いた。なんだか愉快な気分だったのだ。歩いた場所が花道になる。遥か向こう、後ろの方で、工場が華に包まれて散った。