ニュートリノ
「光より速い」ニュートリノ、再実験でも超光速
素粒子のニュートリノが光より速いという実験結果を9月に発表した国際共同研究グループOPERAに参加するイタリア核物理学研究所が18日、精度を高めた再度の実験でも、同じ結果が得られたと発表した。
実験はスイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究機関(CERN)の加速器で人工的に作ったニュートリノを打ち出し、約730キロ離れたイタリアのグランサッソ国立研究所の検出器に到達するまでの時間と距離を測定している。
ニュートリノを作る反応を起こす陽子の流れ方を工夫しニュートリノの速度測定をより細かく精密にした実験を行っているが、今のところ同じ結果が得られているという。ただ速度の計算に全地球測位システム(GPS)を利用している点は前回と変わらない。
核融合炉
国際熱核融合実験炉、開始は1年遅れに 大震災影響
日米欧など7カ国・地域が共同でフランスに建設する国際熱核融合実験炉(ITER)の実験開始が、計画より1年遅れ、2020年になった。東日本大震災の影響によるもので、計画を統括するITER機構(本島修機構長)が18日、フランスで開いた理事会で合意した。
実験炉はフランスで建設中で19年11月に実験を始める計画だった。大震災の影響で、超伝導コイルの性能を試験する茨城県那珂市の研究所が被災。大幅に遅れるとみられていたが、各国の工程を調整し、1年にとどめた。本格運転は予定通り27年開始をめざす。
ITERは太陽で起きる核融合反応を地上で人工的に起こし、エネルギーを得るしくみ。巨額の経費が見込まれ、20日から始まる「提言型政策仕分け」の対象に挙げられている。