1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

半神 観てきました。

なかまくらです。




広島大学演劇団 平成20年度生卒業公演
劇団◎ニジュウマル

『半神』
原作・脚本 萩尾望都
脚本 野田秀樹
演出 井手口理子


を観てきました。


若干辛口なので、耐性の無い方はお水を用意して読むか、

ここでお帰りください(^=^;)






あらすじ

ある灯台の下の平凡な家に双子が生まれる。

双子の片方は綺麗でアホ。片方は賢く醜い。

双子の体は二人で一つ。心臓が繋がっていた。

化物の世界の住人達は高位の次元から失踪した双子の化物を連れ戻そうとする。

人間の世界では、

老数学者がその謎を数学をもって解こうとし、

螺旋方程式の解を持って失踪してしまう。

数学者の兄がその謎を医学をもって解決しようとし、


双子は切りはなされ、

双子のひとりは生き、ひとりは死んだ。

死んだのはどちらだろうか?

切り離された一人は、バスタブの栓の抜けた穴から高位の次元に飛び込むと、

あの時の、お別れしてしまったもう一人の自分に出会う。

もう一度お別れして、一人になった双子は初めて孤独と音(個性?)を手にするの
だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


という感じのお話でした。



うーん、既成脚本の難しさを感じました。

なんというか、野田秀樹に驚かされたというか…ええ。

よくもわるくも、妙にしっくりきてしまった。怖いな。


いや、忘れてください。


まず、金かかってんなww

と思いました。回転する渦巻きの照明、そして、螺旋階段。螺旋階段すげーな。
舞台はすごく素敵な感じ。

後ろの壁代わりになっているのは、ドールハウスみたい?

2階建だし。音響、違
和感無かった。


でも、無音が恋しい?

なんとなく常に誰かが喋ってガヤガヤしてる感じ。常に動き続けている物語。

2時間くらいあったのかな? ちょっと辛かったかも。

「半神」を観たり読んだりしたことはなかったのですが、よく言えば誠実、と言
う感じがしました。

演技うまい! 楽しい! 悲しい! でも、押しまくって来ます。押してダメな
ら引いてみな!ってな。

全体的に明るく振る舞う登場人物達。演技なのか、演技で無いのかの脚本はどうしてなのでしょう。あ、これ、どうしようもないけどね。

テーマは人間の孤独? 散らばってるゴチャゴチャとした物語のいろんなただの
パーツに振り回されているような。

そのゴチャゴチャ感が野田秀樹脚本の良さなのかもしれず、そのあたりは分かり
ませんが。

演出を引き受けた井手口さんをはじめとして、20が何を表現しようとこの作品と
向き合ったのか、に合致してれば、いいんですけどね。正直、他人のことが言える立場ではないです。

もうちょっと、たわ言は続きます。



それと、物語のゴチャゴチャ感の割に、絵が全体的に対称的な印象を受けました。
対称性は美しさなのか、否か。

数学の対称性は美しい。でも、その対称性の破れこそ、この自然の隠された神秘
性であり、人が未だ立ち入ることを容易に許さぬ領域なわけで、破れが見えるこ
との美しさというのがある気がしますね(なんだそりゃ)

あと、螺旋方程式の話。螺旋方程式とは何とも魅力的な単語ですね。ググってみ
たら、多分造語みたいですね。

螺旋とは単純に考えたら3次元の話。でも、単純な理解ではDNAとは命を司るもの。
そういう意味で、4次元なのかもしれない。

ヒトというスケールで螺旋を見てみようとすれば、ヒトはいろいろな欲望を生み
出して生きている。その欲望がこのお芝居では一つの軸という次元をもっている
のかなぁ、と思ったり。

そうすると、螺旋方程式とは、ひとつの次元を作り出す(定義する)方程式では
ないかな、なんていう妄想をしました。


さらに考えたことは、こっちにくっつける。
http://1cm3.mamagoto.com/Entry/363/


ーーー


うーん、何ともよく分からない話を長々と書いて来ましたが、

要約すれば、まあまあ面白い。 でも、もっと面白くなったんじゃない? という感じでした。

20の卒業公演の舞台に1年生から4年生までの演劇団の総力が結集されている感じで、羨ましく思いました。

そういえば20は芝居たくさんしてたなぁ、と今更ながらに思います。いつもどこかで誰かが舞台に立っていましたよね。

そんな20の最後の舞台、
まあ、私の独り言みたいな、タダの感想はほっといて、みんなが楽しく出来てい
たならそれで良いし、

あまり楽しめなかったなら、それはあなたの努力とか情熱不足あるいは、単に運
が無かったんだね・・・また芝居やっちゃえよ(笑)。

という感じですね。たくさんいれば、たくさんの思いがあるでしょう。


なんにせよ、皆様お疲れさまでした。

明日の公演も頑張って。


おわり。





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