1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「ウトヤ島、7月22日」観ました

なかまくらです。

「ウトヤ島、7月22日」観ました。

職場の同僚からの勧めで見たのですが、これはなかなか大変な映画でした。



ウトヤ島で政治的な思想について語り合うサマーキャンプをしていた若者たちは、

突然の銃声に驚く。

何者かが銃を乱射している。

逃げ惑う男女。

妹エミリアとともに参加していた姉のカヤは、その最中で、

エミリアとはぐれてしまう。

何人の犯人がいるのかわからない。どこにいるのかもわからない。

そんな状況で、カヤはエミリアを探しに行く。

たくさんの知らないキャンプ参加者と一時的に行動を共にし、

エミリアを探すために別れていく。

そして、いよいよ海岸に出たとき、救助がやってくる。

けれども、そのとき、カヤは撃たれてしまう。

その頃、島を離れる救援ボートに乗っている妹のエミリアは島を眺めるのであった。


という・・・ちょっと感情のやり場のわからない映画でした。

途中まで、政治を担う若者たちに対する軍事演習のようなものを

しようとしているのかな、と思っていたのですが、

どうやら実話をもとに作られているそうで、

本当にそういう銃撃事件があったそうです。

そのため、あまり救いがあるわけでもなく、若者たちが死んでいく。

カヤを追う視点カメラで追っていくので、

起こっていることの全容がわからないまま、時間が進んでいきます。

その分からなさが、この映画を、観客にとって、

物語ではなく、事態の進行を見守る役割に置こうとしてくる。

そういう挑戦的な映画でした。

おわり。





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【小説】末裔

「末裔」


20241025


作・なかまくら


座っている大きな影があった。


「暗い場所だ」 と、巨人はつぶやいた。


「ご苦労様でした」 怪物がやってきて、隣に座った。


「座談会でもしようというのか」 巨人は身体をひねって、手渡されたボトルを受け取った。中で、明滅する光が綺羅綺羅と踊る液体が見えた。


「まあ、そう言わずに」 怪物は、雲母の黒い塊を一枚めくって、食べた。それから、巨人にも差し出す。


「一枚食べないか。ふるさとの味なんだ」 怪物はバリボリと咀嚼しながら、行儀悪く、勧める。


「いただこう」 巨人は受け取り、それを口に運んだ。


「・・・どうだ」


「・・・永らく忘れていた味のような気がする。これは、だが、血が覚えている。雲母だ。そう、鉱物の雲母」


「隕石によって、かつてこの星に大量にもたらされたものだ。侵略するための我々の食料としてだ。お前の祖先は、それを都合よく忘れてしまったのだ」 怪物は感情の入っていない声でそう言った。それから、こうも言った。


「だが、仕方のないことかもしれないな。それほどに、この星は美しかった」


「怪物のお前でも、そう思うのか」 巨人は少し驚いて、そう問いかけた。


「ああ・・・」 怪物は雲母をかじる。舌の上に故郷が広がっていく。


「私がすっかり、人の血が混じってしまったから、そう思うのだと、そう言い聞かせて生きてきた」


「随分と弱くなった」 怪物は戦いを振り返った。


「重力は小さいが、水は多い。草木は毒を持たないものも多く、生命を育んでいる。この星のその抱擁が、私を堕落させてしまった」


「お前を、ではない。お前の一族を、だ。我ら星人が、お前の一族をこの星に送ったのは、ほかでもない。力の継承を可能とする一族であったからだ。困難は世代とともに解消され、最後には、必ずや、我らに、第二のふるさとをもたらしてくれるものと思っていた」


「すまない・・・」


「不要だ。その謝罪には過ちに対するものではない」


「すまない・・・」


「不要だと言っている」


「ああ・・・」


「なんだ、少し疲れたのか」


「そうかもしれない。久しぶりに力を使ったから」


「人類は力を蓄えた。お前の力など、呼び覚ます必要がないほどに」


「白々しい。太陽フレアで電脳を持つ超兵器がオシャカになった、この日を何年も待ち続けていたんだろう。雲母も電気をよく遮った。」


「力が衰えたといっても、まだまだ見通す目は健在か」 雲母をめくって、齧った。


「すでに、私の代では、失われてしまった力だ。先々代の・・・祖父から借り受けた力をときどき、使わせてもらっている」


「そうか・・・。お前たちは滅びようとしているのだな」 怪物は、笑う。


「滅びるのではない。交じわるのだ。大切な人がたくさんできた。彼らは私を人として見てくれている」


「必要とされているのか」


「それはどちらだ。その能力か、それともひととなりか」


「戦う以外のことは、教えてもらってこなかった」 巨人は、俯いた。


「我々はそんなお前を歓迎するぞ!」 怪物は、笑った。そして、続けて言う。


「単純な理屈だ。強い者たちの世界だ。楽しいぞ」


その言葉に、巨人は頭をふった。


「私は、力を媒介する硬貨を使って、巨人の力を行使することができる。そんな弱い存在になった。・・・だが、これでいいと思っている。これは、力を手放す準備なのだ。電脳の超兵器も、私がただの人になるために助力してくれている・・・。」


いまは、そう思えるようになったのだ、と巨人は優しく笑った。


「やがて電磁波の影響から、復旧する。その前に、星に一度戻ることにする」


「ここで暮らさないか」と巨人は言い、


「ここには居場所はない。必要とされる場所こそが居場所なのだ」と怪物は答えた。


必要とは、その力のことなのか。


巨人は、そう言いかけて、やめた。大陸のあちこちに明かりが灯り始める。


自分もただ、守りたかっただけだったのかもしれない。






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冷蔵庫の霜取り

なかまくらです。

冬が近づいてきまして、そろそろ、一度霜取りをしておこうかな、というわけで、

こんな感じです。まだ食材は残っていますが、減らした状態です。

ペルチェ式の冷蔵庫ですが、一番上の段は簡易冷凍ができるというものでして、

そこに霜が付くんですよね。面倒ですが、容量がどんどん減っていくので、

掃除です。



一度、クーラーボックスに出します。



様子を見ては、金槌で氷を砕きつつ、解体していきます。


3時間ほどで、すっかりきれいになりました。








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「フォールガイ」観ました。

なかまくらです。

「フォールガイ」観ました。

ライアン・ゴズリング主演のアクションコメディです。




スタントマンである男コルトが、自身がスタントをしていた男の失踪をきっかけに、

探しに行くことになる。その中で、過去にコルトに起こった不運なスタント事故の

真実が明らかになっていく・・・。というような、お話。



かつての恋人ジョディが監督となり、その初監督映画を何としても成功させたい、

という気持ちと、寄りを戻したいという定番の恋愛もの。

そして、信じられないようなアクションの連続。これ、スタントで撮影したの!?

というようなすごい動きの数々に、目を奪われました。

監督がスタントマン出身の人、ということで、アクションの完成度やアイディアは、

近年見たことのないようなものになっていました!

飛んでいるヘリコプターの足から反対側の足に跳び移ったり、

部屋の中でガラスを突き破って上の階から飛び降りたり、船着き場に突っ込んで大爆発したり、

などなど、とにかく見どころがたくさんありました。


作中で撮影していた映画は、

エイリアンとの恋愛と西部劇のような雰囲気のSF作品となっていて、

すごくB級の香りがするのですが、それもまた、コメディとしてのご愛嬌。


楽しい映画でした!







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「ONE PIECE FILM RED」観ました

なかまくらです。

「ONE PIECE FILM RED」観ました。

なんというか、ようやく観ました。

音楽映画、と聞いていて、劇中で何曲もフルで歌う、と聞いていたので、

それは、話が薄味になりそうだな~~と思って、

敬遠していたのでした・・・が、まあ、ついに見たのでした。

あ、主題歌はかっこいいですよ。
⇒ 【Ado】新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED) (youtube.com)



あらすじ。

映像電伝虫で、一躍有名になったウタが、初めての生ライブを開くということで、

世界中からファンが殺到した。その国はかつて音楽の国として栄えたが、

海賊によって滅ぼされたとされていた。

ルフィ達、麦わら海賊団も、そのライブに来ていた。

ウタが歌うのを見て、ルフィはその正体が、かつて赤髪海賊団のシャンクスと

ともに故郷のフーシャ村を訪れていた少女と一致することに気づいた。


ウタは、なぜ、赤髪海賊団を離れてしまったのか。


ウタのライブが進むにつれて、ウタが海賊を嫌い、海賊に苦しめられてきた、

世界中のファンたちを、嫌なことが何もない、夢の中に構築した「新時代」に

閉じ込めようとしていることが明らかになる。


潜入していた海軍や、世界政府の諜報員、海賊たちも協力し、

なんとか、その野望を阻止しようとするのだが、ウタの能力は、


夢の中と外とから、同時に干渉する必要があった。

外に残されている人はいるのか・・・。

ルフィは信じた。きっとシャンクスが来る・・・と。


という感じのお話でした。

思ったよりも、お話の骨子はちゃんとしていて、物語として楽しめましたし、

これまでの、出会って、敵のラインナップがそろって、こちらの海賊団のクルーと

対戦表を組んで戦う! みたいな、テンプレのストーリー構成でなかったため、

展開が読めず、まあまあ楽しめました。

SNSで流行した歌手が、どうなりたいのか、とか、

何を考えているのか、とか、

そういう、現代の若者の突拍子のなさのようなものを描いている感じが出ていて、

リアリティを感じました。それがONE PIECEという漫画において、

アリなのかどうかはさておき、こういうところから、新しい作家が生まれてくると思いますし、

野心的で良かったんじゃないかな、と思いました。


おわり。





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