1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「果てしなきスカーレット」観ました。

なかまくらです。

「果てしなきスカーレット」を見ました。



あらすじ

デンマーク王の一人娘であるスカーレットは、王の弟が父を毒殺し、

母を娶った事実を知る。復讐をしようと剣を学んだが、

叔父クローディアスに毒殺されてしまう。

地獄で目覚めたスカーレットは、復習をするために、

その不思議な荒廃した世界の果てを目指す。

その途中で、現代日本から来た看護師・聖(ひじり)と出会う。

価値観の違う2人であったが、聖の治療の技術が、人々を笑顔にしてく様子を

見て、スカーレットの価値観も変わっていく。

デンマーク王は、その配下を刺客としてスカーレットに差し向ける。

そこで、甘さを見せ、見逃したことが、スカーレットの背中を押すことになる。

デンマーク王が地獄から現世へ戻ろうとしたとき、スカーレットはその背後に追いつく。

スカーレットは復讐を成し遂げ、そして、実は仮死状態であったため、

現世へと戻っていく。

戻った先で、新たなるデンマーク王となり、聖を通して垣間見た平和な世界を目指すのだった。


というお話でした。


「ハムレット」を原案とした物語を細田守が、どのように調理するのか・・・?

というような期待と、レビューの恐ろしい低さが怖いもの見たさみたいな期待もあって、

観に行ってみました。

ハムレットは、原作では主人公ですが、そのポジションにはスカーレットがはまっていました。

ちなみに父が「アムレット」で捩(もじ)られていました。

原作でスカーレットと恋仲であったオフィーリアはいませんでしたが、

その代わりに登場するのが聖なのかもしれません。

オフィーリアは身分の違いからハムレットから離れてしまい、

傷心のうちに死んでしまいましたが、聖はスカーレットの価値観を変えていき、

それが物語の幸せな結末へ繋がったように思います。


全体としては、必要な要素を順番に消化していくのですが、

大きな山場や目的を達成しゴールに近づいていくワクワク感やドキドキ感がないことで、

冗長な感じになっているのが残念な感じでした。

アクションは良い感じで、予告で感じたCGの駄目さはそこまで気にならない、

という感じでした。


また、前作「竜とそばかすの姫」から、キャラクターデザインがディズニー作品ぽく

なっていましたが、これは継続。そして、あんまり好きじゃないんですよね・・・。

その作家それぞれが、物語とともに、絵をもっているんだなあと感じます。

宮崎駿も、押井守も、今敏も、その絵柄とセットで見ているのだと感じました。

新海誠も、有名になるときに絵柄が変わりましたが、おおよそその絵柄で描いてきました。

それが変わるのも、厳しいのだろうなあと思いました。

まあ、悪くない。けれども、ここまで広告を大々的に打っちゃうと、厳しいのでしょうね。

万人に受けるものを、というのが世の中の流れなのでしょう。


※追伸

この後、静岡県民劇団SPACによる「ハムレット」を観ました。

この演劇「ハムレット」もかなり、解釈が入っていて、オフィーリアが11人登場し、

このオフィーリアたちが、それぞれの登場人物を演じる形で進んでいきました。

こちらの「ハムレット」は、物語のあらすじをオフィーリアの視点で解釈したものでした。

オフィーリアの亡霊たちが、精霊のように漂う不思議空間の中で物語が語られていく、

という形式でした。

これを見たときに、ああ、「果てしなきスカーレット」は、復讐というテーマに

向き合い、生きるべきか死ぬべきか、というそれくらいの覚悟で、

復讐と向き合うハムレットを、そして、聖(ひじり)の存在によって、

ただただ、父のためだから、という理由で迷わず復讐に突き進んでいった

原作の「ハムレット」とは異なるハムレットを描き出そうとしたのだ、

と感じるようになりました。


面白いものですね。おわり。





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「甲鉄城のカバネリ」観ました。

なかまくらです。

「甲鉄城のカバネリ」観ました。



「貴様、ヒトか、カバネか!?」「どちらでもない、俺はカバネリだ!!」

という台詞とともにOPに突入するちょっと変わった演出で、毎回始まります。


カバネというゾンビ的な存在がいて、

カバネになりかけたが、その毒素が脳に到達する前に、首を締めあげることで、

カバネの能力と理性を兼ね備えた存在カバネリとなった生駒や無名(ヒロイン)が

活躍する話です。

蒸気機関の鉄道でつながれた、パラレルワールドの、

江戸と明治初期くらいをごちゃ混ぜにした感じの侍の時代の世界観でした。


それぞれの拠点は鋼鉄城(列車)に乗って移動していくのですが、

それぞれの拠点では、城主やその周りの臣下たちの喜彼こもごもがあったりして、

どんどん壊滅しながら、物語が進んでいきます。


最後には、幕府の偉い人(美馬)と合流することができるが、やはり、

恐ろしい計画を立てており、その企てを打ち破り、人類の拠点はさらに減っていくのだった。


みたいな感じでした。

その後に、なんと劇場版 海門決戦。

各地から、有力な武士たちが集まってくるのだが、功を焦っての仲間割れ。

結局は、カバネたちが頑張ることに(いつものパターン)。


しかし、生駒にも異変が。度重なる戦闘のためか、カバネ化が進行し、

血を求めて無名を襲ってしまう。そんなわけで信用を失い、閉じ込められる生駒。


そんなもろもろを振り切って、カバネとなってしまった城主を止めに行くのだった。


戦闘の中で、カバネになりかけるも、生駒と無名は不思議な光に救われる。

そして、城主を止めた甲鉄城の一行。


カバネも殺されて、怒りや憎しみを覚えるのだろうか。そんな問いに、生駒は

「誰かを思いやる気持ちを忘れなければ、怒りや憎しみは沈められると思うんだ」

と答えるのだった。



みたいな、お話でした。


このアニメ、全12話と劇場版だったのですが、


前半、もうものすごくワクワクだったのですが、だんだん、息切れしてきた感じでした。

でも、終わってみて思ったのは、全体の世界観をもっと広げていけたら良かったし、

劇場版を見て思ったのは、そうしたかったんじゃないかな、ということでした。

もっと、いろいろな地方を巡って、いろいろな体験をする中で、ちゃんと、倒幕へ

向かえればよかったのに・・・。という感じの作品でした。

まあ、面白かったんですけどね。










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ありがとうとか

なかまくらです。

先週は卒業式がありまして、

ありがとうございました、と言われる場面があり、

自己肯定感が高まりました。

ありがとうと言われる仕事って、いいなと思うのでした。

これから、幸ある人生だといいですね。

毎年、こうやって過ぎていくと良いな。







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【小説】コンドルの翼

なかまくらです。

蔵出し公開です。

昨年度、電子書籍を出版しようと思い立ち、書き上げた作品です。

まだ、編集が終わっていないので、いつ出せるか不明ですが、気長にやろうと思います。

それではどうぞ。



「コンドルの翼」
                              作・なかまくら
午後8時を過ぎた頃だというのに、営業用のスマートフォンがアパートでモーニングを要請していた。紺野はケトルが騒々しく、インスタントなお湯を拵え終わるのを見計らって、珈琲の色素がこれでもかと沈着したマグカップに湯を注ぎ込む。飛び切り苦いインスタントの黒い水が紺野を現実世界に引き戻した。
 「おい、いつまで待たせるんだ!!」 電話の向こうから、上司のでかい声が聞こえてきて、音声をスピーカーモードに切り替える。
 「すみません、すぐ向かいますので」 机の上には、ノートPC。それから、まだ半分くらい残っている缶ビールと、つまみのパック寿司。さらには、冷蔵庫にはジャンボプリンが控えていた。くそぅ、ビールは、もうダメだろう・・・。だが、まずはシャワーだ。
 呼び出されることはないことはない。決算が近づけば、売り上げがすべてに優先され、顧客がYESと言ったならば、その瞬間に手続きを完了させることがモットーとされていた。
「だからって、こんな時間に・・・」
カフェインは現実からの引力だ。かの名探偵ホームズは、推理をするとき以外には、コカイン中毒で酩酊状態にあったとか。それも、少しだけわかる気がするのだ。現実が1日24時間も続くことに、なぜ耐え続けなければならないのか。それが、毎日繰り返されていくことに、なぜ耐え続けなければならないのか。熱い温度に設定したシャワーが噴き出す汗に溶け合い、怒りや悲しみをアルコールとともに洗い流していく。それが洗い流されてしまうのは、表層的なものだからなのかもしれない。
いつもは朝のルーティーンである身支度を、夜の8時15分に完了し、いよいよ出かけるばかりとなった。往生際悪く、サランラップで缶ビールに蓋をし、冷蔵庫へと入れる。食べかけの寿司も、だ。好きなものを最後にとっておく主義が、ここでとんでもない裏切りをみせるとは、思わなかった。いくらと炙ったのどぐろが、冷蔵庫に吸い込まれて、消えた。
街に出ると、車はまだひっきりなしに行き交い、高層ビルには明かりが残るオフィスがあちこちに見える。今日の仕事を終えてふらふらとだらしなく歩くサラリーマンたちや、自分の進んでいく道に向き合えないでいる若者たちとすれ違う。電話が来る前の自分はどうだっただろうか。
ノートPCには、書きかけの短編小説が表示されていた。その末尾で、次の入力を待つ、カーソルの明滅・・・いや、黒いほうが光を発していないのだから、滅明、かもしれないな。紺野は、ふっと笑った。その物語には、コンドルが現れる。コンドルは、誰よりも空高い場所から、いち早く、新鮮な死肉を見つけ出す。低いところまで慎重に下りてくると、それを啄(ついば)む。その、空想上の恐竜に似た原始的な顔立ちに、思わず身が竦んでしまう。今夜の商談も、いち早くニーズを見つけた上司の辣腕ぶりには目を見張るものがある。
ジャケットがバサバサと風を受ける。ビル風が吹きつけているのだ。その風を受けてコンドルは、飛び立とうとする。待ってくれ、まだ、先に行かないでくれ。商談が終わって、家に戻って、1本目を苦い顔をして飲んで、それから2本目の缶ビールを新しい音を立てて開けて・・・、それから、短編小説の続きを書くのだ。・・・だが、そんな気力は本当にあるだろうか。コンドルは空を見上げている。ビルに遮られた空は、随分と狭い。社会人になったとき、〆切のない場所へ来てしまったのだと悟った。雑誌に寄稿していたこともあったが、それもいまは、仕事にかまけてすっかりご無沙汰してしまっている。コンドルが新しい肉を見つけるように、新しい物語を探しているのだろうか。コンドルがそれを生きることの一部としてそうするように、自分にとって、それはそういうものだろうか。
そういうものだったらいい。そのほうが、なんだか心地が良いのだ。
あのとき社会人になったのだ。社会人のルールの中で生きなければ、ルールは自分を守ってはくれないだろう。ならば、これこそが、自分にとっての翼なのかもしれない。風がいっそう強く吹いたので、コンドルはその風に乗って、高く高く飛び上がった。翼を広げた雄大な姿が、ビルの向こうに黒く、消えていく。それを見送った紺野は、
「そんな風には、上がれねーって・・・」
呟いてから、ふっと笑う。
翼なのだ、この毎日が。毎日の熱いシャワーで脱皮を繰り返すのだ。爬虫類が脱皮をして大きくなるように。あわよくば恐竜の進化の系譜に倣って、いつかの隕石で滅びる日を回避して。やがて風を読んで空を飛ぶのだ、と笑った。笑ってそれから、そういえば物語は、紺野にとってそういうものだった、と思い出した。
信号が青になって、現実が空想を塗りつぶしていく。紺野はその中に立っていることを確認してみた。大丈夫だ。鞄の中に入れた商談の資料を手で触って、歩き出す。
待ち合わせの場所はもうすぐだった。





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劇団イキウメ「ずれる」観ました

なかまくらです。

劇団イキウメ「ずれる」観ました。


あらすじ

不可解なことが起きる場所・金輪町の隣の町で起こる不可解な事件。

会社を引き継いだ兄と、精神病院から出てきた弟。

弟は、怪しげな環境活動家、凄腕の整体師などを家に引き入れる。

兄は、弟の面倒を見ながら仕事をするために、凄腕の秘書を雇う。


弟は、自由になりたかった。それは、人間社会で自由というわけではなく、

もっと、自由ということ。家畜がもとは、野生動物だったように。

人間だけが、見えていないのだ。弟は、幽体離脱をすることができた。

幽体として、動物と接触することで、アロワナはシーラカンスに、

シベリアンハスキーはオオカミに、豚は猪になるのだという。

しかし、オオカミは射殺されてしまう。それは幸せなことだったのだろうか。


やがて、弟は、幽体から肉体に戻れなくなってしまう。魂が肉体からずれるのだ。

整体師の時枝は、それが見えていた。時枝は兄をずらし、魂の世界に招く。

そこで、最後に弟と会った兄は、少しだけ、今までとズレることになった。


というお話でした。

生き辛さで、互いに苦しめ合ってしまう兄弟が、見ていて苦しかったです。

ただ、どちらにも共感できる部分があって、それがラストのそれぞれが自由になった

ような感じに、肯定も否定もされない優しい気持ちになれたような気がしました。


イキウメのお芝居は、「図書館的人生Vol.3 食べ物連鎖」から、追いかけてきました。

魂の在りかを問うような、前川さんの書くお芝居の世界は、

ずっと、私の魂を震わせてきました。

大人になると、心が揺れるようなことってあまりなくて、落ち着いてしまっています。

ストレスがあれば猶更、がちがちに固まって、衝撃が加われば割れてしまいそう。

けれども、それを、マッサージするように、ほぐしてくれるような気がするのです。

それは、心温まる、とかではなくて、苦しかったりして、痛いときもあるのですが、

すごく大事な体験なのです。


そんなイキウメさんですが、しばらく定期公演をやめる、とのことで、

次の公演がいつになるかは未定なのですが、また、待っていようと思います。

おわり。





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